災害時、急激なアクセス集中に備えてウェブマスターができること

2011年9月30日金曜日

台風や大雨、地震などの災害時には多くの方が災害情報や交通情報、避難所や防災マップといった緊急情報を確認するため、特定のサイトに突発的にアクセスが集中することがあります。こうした急激なアクセスの集中は、時にサーバーの処理能力を超え、サイトをダウンさせてしまいます。サイトがダウンしてしまうと、災害情報などの緊急情報を提供できなくなり、より多くの混乱を引き起こしてしまうでしょう。

突発的なアクセスの集中は避けることは難しいですが、あらかじめそれに備えることでサイトのダウンを防ぐことが可能です。そこで今回は、災害時などの急なアクセス集中に備えてできる比較的簡単な対策をご紹介したいと思います。
  • 軽量化したサイトを別途用意する
    災害時に備え、軽量化したサイトをあらかじめ別途用意しておきましょう。災害時にはその軽量化したサイトに置き換えます。しかし普段は使わないページを用意し、いざという時のために管理し続けるというのは負担が大きいかもしれません。そこで例えば携帯電話向けのサイトを用意し、災害時には携帯電話向けに提供しているページを PC 向けに提供するのもひとつのアイディアです。また、特にアクセスが集中するのは主にトップページであるケースが多いのではないでしょうか。そこで全ての代替ページを用意するのではなく、トップページのみ軽量化したページを用意しておき、リンク先は携帯電話向けのページにリンクするようにすることで、災害時にはトップページのみ差し替えるだけで大幅にサーバーの負荷を軽減することができます。

    軽量化のポイントは、
    • 画像やフラッシュなどの装飾的な要素は極力外し、メニューやナビゲーションなどの画像ファイルはテキストに置き換え、HTML を中心に作成する。
    • 動的なページはサーバーの負荷が高いため静的な HTML ページを用意する(情報は手動で更新します)。
  • なるべく軽いファイル形式で提供する
    データのサイズはなるべく小さくなるように心がけましょう。例えば提供する情報が文字情報の場合、ファイルサイズが大きくなる PDF ファイルなどでの情報の提供は避け、テキストデータなどの軽いデータで提供するようにしましょう。例えばこちらの PDF ファイル リッチテキストファイル をダウンロードして比較してみてください。中身はほぼ同じ内容ですが、ファイルサイズは PDF が 180KB、テキストファイルは 37KB と、テキストファイルの方が圧倒的に軽いことがわかります。

    また、同じ PDF ファイルでも、画像データから作成した PDF よりも、テキストエディタ等からテキストデータを保持したまま作成した PDF の方がデータが軽くなります。また、 テキストデータを保持したまま作成された PDF は検索結果に表示されやすくなります ので PDF を作成する際は画像データから作成するのではなく、テキストデータを保持した形で作成することをお勧めします。
  • 表や数値データは CSV や XML などの形式でも用意する
    表や数値データは CSV や XML 形式のファイルでも用意しましょう。これらの形式のファイルは、比較的サイズが小さくなり、また、そのデータを利用して外部の開発者が別の災害情報サービスを提供することが可能になり、より多くの人に情報を届けることができるようになるためです。
  • サードパーティのサービスを活用する
    サードパーティのサービス等を利用し、災害時に参照される情報を中心にミラーサイトを作成することも一つの方法です。Google では Google サイト Blogger といったサービスを無料でご利用いただくことが可能です。
また、万が一サイトがダウンした場合でも Google では公的なサービスを提供するサイトについてはキャッシュデータを検索結果に表示し、ユーザーが閲覧できるようにしています。このサービスへのご登録は、 こちらから お申し込みください。なお、こちらのご登録に関しましては、 go.jp ドメインのサイトや地方公共団体、各種公共サービスなど、公共性の高い非営利サイトに限らせていただきます。また、お申し込みからご登録まで少々お時間がかかりますのでご了承ください。

今回ご紹介しました対策についてのご質問は、 ウェブマスター ヘルプ フォーラム へお寄せください。※災害時の問い合わせ窓口ではありませんのでご注意ください。