販売者の返品に関するポリシー(MerchantReturnPolicy
)の構造化データ

多くの販売者が、購入した商品の返品手続きについて概説した返品に関するポリシーを顧客向けに設定しています。サイトに MerchantReturnPolicy
構造化データを追加すると、Google 検索でこの情報が使用され、返品に関するポリシーが商品ととともに、検索結果のナレッジパネル内に表示されるようになります。MerchantReturnPolicy
を使用することで、返品に関するポリシーのページへのリンクや、顧客が商品を返品できる条件、返品方法、返品料金、返品のオプションなどの詳細情報を指定できます。
販売する商品の大部分または全体に適用されるビジネスの標準的な返品に関するポリシーを指定するには、hasMerchantReturnPolicy
プロパティを使用して Organization
構造化データタイプにネストした MerchantReturnPolicy
構造化データタイプを使用します。
構造化データを追加する方法
構造化データは、ページに関する情報を提供し、ページ コンテンツを分類するための標準化されたデータ形式です。構造化データを初めて使用する場合は、構造化データの仕組みについてをご覧ください。
構造化データの作成、テスト、リリースの概要は次のとおりです。
- 必須プロパティを追加します。使用している形式に基づいて、ページ上の構造化データを挿入する場所をご確認ください。
- ガイドラインに従います。
- リッチリザルト テストでコードを検証し、重大なエラーを修正します。ツールで報告される重大ではない問題の修正も検討してください。構造化データの品質向上に役立ちます(ただし、リッチリザルトの対象となるために必ずしも必要というわけではありません)。
- 構造化データが含まれているページを数ページ導入し、URL 検査ツールを使用して、Google でページがどのように表示されるかをテストします。Google がページにアクセスでき、robots.txt ファイル、
noindex
タグ、ログイン要件によってページがブロックされていないことを確認します。ページが正常に表示されたら、Google に URL の再クロールを依頼できます。 - 今後の変更について Google に継続して情報を提供するために、サイトマップを送信することをおすすめします。これは、Search Console Sitemap API で自動化できます。
例
以下に、ドイツ、オーストリア、スイスの顧客に販売され、アイルランドに郵送で返品する必要のある商品の返品に関するポリシーを含む、完全な OnlineStore
のマークアップの例を示します。60 日間の返品可能期間があり、無料での返品と全額払い戻しに対応しています。また、新品のみ返品可能です。
{ "@context": "https://schema.org", "@type": "OnlineStore", "name": "Example Online Store", "url": "https://www.example.com", "sameAs": ["https://example.net/profile/example12", "https://example.org/@example34"], "logo": "https://www.example.com/assets/images/logo.png", "contactPoint": { "contactType": "Customer Service", "email": "support@example.com", "telephone": "+47-99-999-9900" }, "vatID": "FR12345678901", "iso6523Code": "0199:724500PMK2A2M1SQQ228", "hasMerchantReturnPolicy": { "@type": "MerchantReturnPolicy", "applicableCountry": [ "DE", "AT", "CH"], "returnPolicyCountry": "IE", "returnPolicyCategory": "https://schema.org/MerchantReturnFiniteReturnWindow", "merchantReturnDays": 60, "itemCondition": "https://schema.org/NewCondition", "returnMethod": "https://schema.org/ReturnByMail", "returnFees": "https://schema.org/FreeReturn", "refundType": "https://schema.org/FullRefund", "returnLabelSource": "https://schema.org/ReturnLabelCustomerResponsibility" } }
以下に、顧客都合または不良品の場合の返品オプション、返品可能期間を 30 日間に限定する期間限定的な優先ルールを含む、完全な MerchantReturnPolicy
構造化データのマークアップの例を示します。
<html> <head> <title>Our return policy</title> <script type="application/ld+json"> { "@context": "https://schema.org", "@type": "OnlineStore", "hasMerchantReturnPolicy": { "@type": "MerchantReturnPolicy", "applicableCountry": [ "DE", "AT", "CH"], "returnPolicyCountry": "IE", "returnPolicyCategory": "https://schema.org/MerchantReturnFiniteReturnWindow", "merchantReturnDays": 60, "itemCondition": [ "https://schema.org/NewCondition", "https://schema.org/DamagedCondition" ], "returnMethod": "https://schema.org/ReturnByMail", "returnFees": "https://schema.org/ReturnShippingFees", "refundType": "https://schema.org/FullRefund", "returnShippingFeesAmount": { "@type": "MonetaryAmount", "value": 2.99, "currency": "EUR" }, "returnLabelSource": "https://schema.org/ReturnLabelInBox", "customerRemorseReturnFees": "https://schema.org/ReturnShippingFees", "customerRemorseReturnShippingFeesAmount": { "@type": "MonetaryAmount", "value": 5.99, "currency": "EUR" }, "customerRemorseReturnLabelSource": "https://schema.org/ReturnLabelDownloadAndPrint", "itemDefectReturnFees": "https://schema.org/FreeReturn", "itemDefectReturnLabelSource": "https://schema.org/ReturnLabelInBox", "returnPolicySeasonalOverride": { "@type": "MerchantReturnPolicySeasonalOverride", "returnPolicyCategory": "https://schema.org/MerchantReturnFiniteReturnWindow", "startDate": "2025-12-01", "endDate": "2025-01-05", "merchantReturnDays": 30 } } // Other Organization-level properties // ... } </script> </head> <body> </body> </html>
ガイドライン
返品に関するポリシーのマークアップが Google 検索で使用されるようにするには、次のガイドラインに沿って対応する必要があります。
技術に関するガイドライン
-
返品に関する情報は、ビジネスの返品に関するポリシーを記載したサイトの単一ページに配置することをおすすめします。サイトのすべてのページに含める必要はありません。
Organization
構造化データタイプにMerchantReturnPolicy
構造化データタイプを含めます。詳しくは、組織のマークアップもご覧ください。 -
特定の商品に対する標準以外の返品に関するポリシーがある場合は、
Offer
構造化データタイプでMerchantReturnPolicy
構造化データタイプを指定します。offer レベルの返品に関するポリシーでサポートされるプロパティは、organization レベルの返品に関するポリシーでサポートされるプロパティのサブセットである点に留意してください。商品レベルの返品に関するポリシーでサポートされるプロパティのサブセットについては、販売者のリスティングのマークアップをご覧ください。
構造化データタイプの定義
構造化データが Google 検索で使用されるようにするには、必須プロパティを含める必要があります。また、推奨プロパティを使用することで返品に関するポリシーに関する詳細情報を追加でき、ユーザー エクスペリエンスの向上につながります。
MerchantReturnPolicy
(hasMerchantReturnPolicy
プロパティを使用して Organization
にネストされる)
ビジネスの標準的な返品に関するポリシーを記述するには、次のプロパティを使用します。
必須プロパティ(ユースケースに最適なオプションを選択します) | |
---|---|
オプション A | |
applicableCountry |
返品に関するポリシーが適用される国コード(商品が販売され、返品時に発送元となる国)。 2 文字の ISO 3166-1 alpha-2 国コード形式を使用します。最大 50 か国を指定できます。 |
returnPolicyCategory |
返品に関するポリシーのタイプ。次のいずれかの値を使用します。
|
オプション B | |
merchantReturnLink |
顧客向けの返品に関するポリシーが記載されているウェブページの URL を指定します。独自の返品に関するポリシーでも、返品を処理するサードパーティ サービスのポリシーでも構いません。 |
制限付きまたは無制限の返品可能期間
returnPolicyCategory
が MerchantReturnFiniteReturnWindow
または MerchantReturnUnlimitedWindow
に設定されている場合は、次のプロパティを使用することをおすすめします。
推奨プロパティ | |
---|---|
merchantReturnDays |
商品の返品が可能なお届け日からの日数。このプロパティは |
returnFees |
返品料金のデフォルトのタイプ。次のいずれかのサポートされている値を使用します。
|
returnMethod |
利用可能な返品方法のタイプ。次の値の 1 つ以上を使用します。
|
returnShippingFeesAmount |
商品返品に伴う配送料。このプロパティは、 |
制限付きまたは無制限の返品可能期間
returnPolicyCategory
が MerchantReturnFiniteReturnWindow
または MerchantReturnUnlimitedWindow
に設定されている場合は、追加で次のプロパティを使用することをおすすめします。
推奨プロパティ | |
---|---|
customerRemorseReturnFees |
顧客都合で商品が返品された場合に適用される特定のタイプの返品料金。設定可能な値については、 |
customerRemorseReturnLabelSource |
消費者が商品の返送ラベルを取得する方法。設定可能な値については、 |
customerRemorseReturnShippingFeesAmount |
顧客都合による商品の返品に伴う配送料。このプロパティは、商品の返品に伴い、消費者が配送料を支払う場合にのみ必須です。詳しくは、 |
itemCondition |
商品が返品可能と認められる条件。返品が認められる条件を複数指定できます。 次の値を使用します。
|
itemDefectReturnFees |
不良品に適用される特定のタイプの返品料金。設定可能な値については、 |
itemDefectReturnLabelSource |
消費者が商品の返送ラベルを取得できる方法。
設定可能な値については、 |
itemDefectReturnShippingFeesAmount |
不良品の場合による返品に必要な配送料。このプロパティは、商品の返品に伴い、消費者が配送料を支払う場合にのみ必須です。詳しくは、 |
refundType |
商品を返品する際に消費者が受けられる払い戻しの種類。
|
restockingFee |
商品を返品する際に消費者に請求される払い戻し手数料。タイプ |
returnLabelSource |
消費者が商品の返送ラベルを取得できる方法。次のいずれかの値を使用します。
|
returnPolicyCountry |
返品のために商品を送る必要がある国。これは、最初に商品が出荷された国や送られた国とは異なる場合があります。ISO 3166-1 alpha-2 国コード形式。最大 50 か国を指定できます。 |
期間限定的な優先ルールのプロパティ
組織レベルの返品に関するポリシーの期間限定的な優先ルールを定義する必要がある場合は、次のプロパティが必須となります。
必須プロパティ | |
---|---|
returnPolicySeasonalOverride |
年末などの特別なイベント用に返品に関するポリシーを指定する場合の、返品に関するポリシーの期間限定的な優先ルール。
たとえば、通常の返品に関するポリシーのカテゴリは "returnPolicySeasonalOverride": { "@type": "MerchantReturnPolicySeasonalOverride", "startDate": "2024-11-29", "endDate": "2024-12-06", "merchantReturnDays": 10, "returnPolicyCategory": "https://schema.org/MerchantReturnFiniteReturnWindow" } 期間限定的な優先ルールを複数指定する方法は次のとおりです。この例では、通常の返品に関するポリシーは無制限ですが、次の 2 つの期間では制限があります。 "returnPolicySeasonalOverride": [{ "@type": "MerchantReturnPolicySeasonalOverride", "startDate": "2024-11-29", "endDate": "2024-12-06", "merchantReturnDays": 10, "returnPolicyCategory": "https://schema.org/MerchantReturnFiniteReturnWindow" }, { "@type": "MerchantReturnPolicySeasonalOverride", "startDate": "2024-12-26", "endDate": "2025-01-06", "merchantReturnDays": 10, "returnPolicyCategory": "https://schema.org/MerchantReturnFiniteReturnWindow" }] |
returnPolicySeasonalOverride.returnPolicyCategory |
返品に関するポリシーのタイプ。次のいずれかの値を使用します。
|
組織レベルの返品に関するポリシーの期間限定的な優先ルールを定義する必要がある場合は、次のプロパティを使用することをおすすめします。
推奨プロパティ | |
---|---|
returnPolicySeasonalOverride.endDate |
期間限定的な優先ルールの終了日。 |
returnPolicySeasonalOverride.merchantReturnDays |
商品の返品が可能なお届け日からの日数。このプロパティは、 |
returnPolicySeasonalOverride.startDate |
期間限定的な優先ルールの開始日。 |
Google で返品を設定する別の方法
販売店の返品に関するポリシーは複雑で、頻繁に変更されることもあります。配送および返品情報の指定や最新情報への更新にマークアップを使用することが困難で、Google Merchant Center アカウントを保有している場合は、Google Merchant Center で返品に関するポリシーを設定することを検討してください。または、アカウント レベルで Search Console の返品に関するポリシーを設定することもできます。この設定は自動的に Merchant Center に追加されます。
複数の返品の設定を組み合わせる
さまざまな返品の設定を組み合わせる場合、ポリシー情報は優先順位の高いものから適用される点に留意してください。たとえば、サイトの返品に関するポリシーのマークアップと Search Console の返品に関するポリシーの設定の両方を使用している場合は、Search Console で設定された情報のみが使用されます。
Google が使用する優先順位は次のとおりです(優先度が高い順)。
- Content API for Shopping(返品設定)
- Merchant Center または Search Console での設定
- 商品レベルの販売者のリスティングのマークアップ
- 組織レベルのマークアップ
トラブルシューティング
構造化データの実装またはデバッグで問題が発生した場合は、以下のリソースが参考になります。
- コンテンツ管理システム(CMS)を使用している場合や、別の人がサイトを管理している場合は、担当者にサポートを依頼してください。その際は、問題の詳細を含む Search Console のメッセージを必ず転送してください。
- 構造化データを使用するコンテンツが必ず検索結果に表示されるとは限りません。コンテンツがリッチリザルトに表示されないときのよくある原因については、構造化データに関する一般的なガイドラインをご覧ください。
- 構造化データにエラーがある可能性があります。構造化データエラーの一覧と解析不能な構造化データに関するレポートを確認してください。
- 構造化データへの手動による対策がページに対して行われると、ページ上の構造化データが考慮されなくなります(ただし、Google 検索結果にはページは引き続き表示されます)。構造化データの問題を修正するには、手動による対策レポートを使用します。
- コンテンツにガイドライン違反がないか、ガイドラインを再度確認してください。スパム コンテンツまたはスパム マークアップの使用が原因で、問題が発生することがありますが、これは構文の問題ではない可能性があり、リッチリザルト テストでは特定できません。
- リッチリザルトが見つからない場合やリッチリザルトの総数が減少している場合のトラブルシューティングを行ってください。
- 再クロールとインデックスの再登録にかかる時間を考慮してください。ページを公開した後、Google がそのページを検出してクロールするまで数日かかる場合があることにご注意ください。クロールとインデックス登録に関する一般的な質問については、Google 検索のクロールとインデックス登録に関するよくある質問をご覧ください。
- Google 検索セントラル フォーラムでも質問を受け付けています。