同意モードを使用すると、ウェブ デベロッパーおよびアプリ デベロッパーは同意に関するユーザーの選択に基づいてタグとアプリ SDK の動作を調整することができます。
この記事では、同意モードの基本知識をご紹介します。同意モードには、さまざまな追加機能(地域別の動作、保存済みの情報の消去、同意拒否時の URL 経由での情報受け渡しなど)も用意されています。同意モードと追加機能の使い方について詳しくは、以下をご参照ください。
同意を管理する方法
ユーザーの同意を管理するには、以下を行う必要があります。
自身の行動に関する情報が保存されることに同意するか拒否するかを、ユーザーに確認します。デベロッパーは、ウェブサイトまたはアプリでユーザーの同意を取得する責任を負います。
Google の同意モードを使用して、同意に関するユーザーの選択を Google に通知します。
Google タグ、第三者タグ、およびアプリ SDK が同意に関するユーザーの選択に応じて動作することを確認します。
1 番目と 2 番目の要件については、サードパーティの同意管理プラットフォーム(CMP)を利用する方法と、カスタム ソリューションを導入する方法があります。同意モードを使用すると、ウェブサイトやアプリにデフォルトの同意ステータスを設定して、3 番目の要件を満たすことができます。 ウェブサイトやアプリのユーザーが同意または拒否を表明すると、それに応じて同意チェック付きのタグおよび SDK の動作が調整され、ウェブサイトやアプリにおけるそのユーザーのインタラクションすべてに反映されます。
同意モード関連用語
以下の用語は、同意モード関連の文脈では特殊な意味を持ちます。
- 同意チェック: 「同意ステータス」と「同意タイプ」に基づいて、タグと SDK の動作を調整します。
- 同意ステータス: 各「同意タイプ」について、ユーザーの同意に関する選択(許可または拒否)を示します。「同意チェック」が組み込まれたタグおよび SDK の動作は、同意がタグの動作に及ぼす影響で説明されているように調整されます。
- 同意タイプ: 保存情報のタイプを示します。同意はタイプごとに「
granted
」または「denied
」となります。
同意タイプ
同意タイプには次のような種類があります。
同意タイプ | 説明 |
ad_storage | 広告に関連する情報の保存(ウェブの場合の Cookie やアプリの場合のデバイス識別子など)を有効にします。 |
ad_user_data | インターネット広告で使用する目的で Google にユーザーデータを送信するための同意を設定します。 |
ad_personalization | パーソナライズド広告への同意を設定します。 |
analytics_storage | 訪問時の滞在時間など、分析に関連する情報の保存(ウェブの場合の Cookie やアプリの場合のデバイス識別子など)を有効にします。 |
functionality_storage | 言語設定など、ウェブサイトまたはアプリの機能をサポートする情報の保存を有効にします。 |
personalization_storage | おすすめの動画など、パーソナライズに関連する情報の保存を有効にします。 |
security_storage | 認証機能、不正行為防止、その他のユーザー保護など、セキュリティに関連する情報の保存を有効にします。 |
同意モードに対応しているタグ
Google の以下のサービスのタグおよび SDK にはあらかじめ同意チェックが組み込まれており、同意ステータスに応じて動作が調整されます。
- Google タグ
- Google アナリティクス(Firebase 向け Google アナリティクス SDK を含む)
- Google 広告(Google 広告コンバージョン トラッキングとリマーケティングを含む。現時点では通話コンバージョンはサポートされていない)
- Floodlight
- コンバージョン リンカー
同意がタグおよびアプリ SDK の動作に及ぼす影響
一般に、ユーザーが同意を表明すると、タグは通常の動作を行います。
しかし、ユーザーが広告のパーソナライズや広告ユーザーデータの送信に同意しない場合は、広告のターゲット設定を目的としてタグやアプリ SDK でユーザーデータを使用することはできません。
ユーザーが情報の保存を拒否する場合、同意ステータスを認識するタグまたはアプリ SDK では Cookie(ウェブの場合)やデバイス識別子(アプリの場合)は保存されません。代わりに、Cookie を使用しない ping(ウェブの場合)やシグナル(アプリの場合)を Google サーバーに送信して、同意ステータスとユーザーのアクションを伝達します。これにより、Google 広告と Google アナリティクス 4 プロパティはコンバージョンをモデリングすることが可能になります。詳しくは、同意モードにおけるモデリングをご覧ください。
以下のシグナルは同意ステータスを伝達します。
同意ステータス ping: 同意モードが実装されている状態でユーザーが訪問した各ページから送信されます。各同意タイプ(ad_storage、analytics_storage など)の同意ステータス(許可または拒否)を伝達する ping です。
コンバージョン ping: コンバージョンが発生したことを示すために送信されます。
Google アナリティクスの ping: Google アナリティクスを使用しているウェブサイトの各ページで、イベントが記録された際に送信されます。
ping には次のような情報が含まれます。
- 機能に関する情報(ブラウザで受動的に追加されるヘッダーなど):
- タイムスタンプ
- ユーザー エージェント
- 参照 URL
- 個人が特定されない集計情報:
- 現在のページまたはユーザーがサイトでその前に閲覧したページの URL に広告クリック情報(GCLID / DCLID)が含まれていたかどうか
- 同意状況に関するブール値情報
- 各ページ読み込み時に生成される乱数
同意ステータスに応じてタグ動作を変化させるだけでなく、ユーザーが同意を拒否した場合に、保存済みのデータを消去することも可能です。たとえば、広告に関する情報の保存を一度許可したユーザーが、思い直して保存を拒否したとします。ads_data_redaction
を有効化しておけば、ユーザーが同意を拒否した時点で、Google 広告が保存済みの情報を削除します。
同意チェックが組み込まれているタグでは、同意ステータスに基づいて動作が調整されます。次の表は、同意タイプ、同意ステータス、ads_data_redaction
が true
に設定されているかに基づくタグの動作を示しています。
同意タイプ | 拒否または許可 | 動作 |
ad_storage 、analytics_storage |
許可 許可 |
|
ad_personalization |
拒否 | パーソナライズド広告が無効になるため、以下の機能にデータは送信されません。
|
ad_user_data |
拒否 | インターネット広告を目的とする個人データの収集は無効になります。これには以下のデータが含まれます。
|
ad_storage |
拒否 |
|
analytics_storage |
拒否 |
|
ad_storage 、ads_data_redaction
|
拒否、true |
|
同意モードにおけるモデリング
欠落した収集データを補うため、Google のサービスでは ping を使用して測定ソリューションの指標がモデリングされます。ユーザーのプライバシーを保護するために、タグやアプリ SDK には一定のデータの収集基準を満たすことが求められます。モデリングが可能なデータやケースについて詳しくは、リンクされている以下の記事をご覧ください。
- Google 広告の同意モードにおけるモデリング
- Google 広告のオンライン コンバージョン モデリング
- Google アナリティクスのコンバージョン モデリング
- Google アナリティクスの行動モデリング