バナー広告は、デバイス画面の上部か下部にアプリのレイアウト内の一部分を使用して表示されます。ユーザーがアプリを操作している間は画面に表示され続けますが、一定時間が経過すると自動的に更新されるよう設定できます。
このガイドでは、アンカー型アダプティブ バナー広告の利用を開始する方法について説明します。アンカー アダプティブ バナーでは、指定した広告幅を使用して、デバイスごとに広告サイズが最適化されます。
アンカー アダプティブ バナー広告は、固定サイズの広告ではなく、固定アスペクト比の広告です。アスペクト比は 320x50 と同様です。使用可能な最大幅を指定すると、Google Mobile Ads SDK はその幅に最適な高さの広告を返します。広告の最適な高さは広告リクエストにかかわらず同じで、広告の周囲のコンテンツは広告が更新されても同じ位置に維持されます。
常にテスト広告でテストする
アプリの作成とテストでは、実際の配信中の広告ではなくテスト広告を使用するようにしてください。実際の広告を使用すると、アカウントが停止される可能性があります。
テスト広告は、次に示すバナー広告向けのテスト専用広告ユニット ID を使うと簡単に読み込むことができます。
Android
ca-app-pub-3940256099942544/9214589741
iOS
ca-app-pub-3940256099942544/2435281174
テスト広告ユニットはすべてのリクエストに対してテスト広告を返す特別な広告ユニットで、アプリのコーディング、テスト、デバッグで自由に使うことができます。アプリを公開する前に、必ず独自の広告ユニット ID に置き換えてください。
広告サイズの取得
正しい広告サイズのバナー広告をリクエストする手順は次のとおりです。
MediaQuery.of(context)
を使用して、デバイスの画面の幅を密度非依存ピクセル(dp)で取得します。画面の幅全体を使用しない場合は、任意の幅を設定できます。AdSize
クラスの適切な静的メソッドを使用して、AdSize
オブジェクトを取得します。たとえば、AdSize.getCurrentOrientationAnchoredAdaptiveBannerAdSize(int width)
を使用して、現在の画面の向きの広告サイズを取得します。
// Get an AnchoredAdaptiveBannerAdSize before loading the ad.
final size = await AdSize.getCurrentOrientationAnchoredAdaptiveBannerAdSize(
MediaQuery.sizeOf(context).width.truncate());
広告を読み込む
次のサンプルは、バナー広告をインスタンス化しています。
class BannerExampleState extends State<BannerExample>{
BannerAd? _bannerAd;
bool _isLoaded = false;
// TODO: replace this test ad unit with your own ad unit.
final adUnitId = Platform.isAndroid
? 'ca-app-pub-3940256099942544/9214589741'
: 'ca-app-pub-3940256099942544/2435281174';
/// Loads a banner ad.
void loadAd() async {
// Get an AnchoredAdaptiveBannerAdSize before loading the ad.
final size = await AdSize.getCurrentOrientationAnchoredAdaptiveBannerAdSize(
MediaQuery.sizeOf(context).width.truncate());
_bannerAd = BannerAd(
adUnitId: adUnitId,
request: const AdRequest(),
size: size,
listener: BannerAdListener(
// Called when an ad is successfully received.
onAdLoaded: (ad) {
debugPrint('$ad loaded.');
setState(() {
_isLoaded = true;
});
},
// Called when an ad request failed.
onAdFailedToLoad: (ad, err) {
debugPrint('BannerAd failed to load: $error');
// Dispose the ad here to free resources.
ad.dispose();
},
),
)..load();
}
}
バナー広告イベント
BannerAdListener
を使用すると、広告が読み込まれたときなどのライフサイクル イベントをリッスンできます。以下のサンプルでは、各メソッドを実装して、コンソールにログとしてメッセージを出力しています。
class BannerExampleState extends State<BannerExample> {
BannerAd? _bannerAd;
bool _isLoaded = false;
// TODO: replace this test ad unit with your own ad unit.
final adUnitId = Platform.isAndroid
? 'ca-app-pub-3940256099942544/9214589741'
: 'ca-app-pub-3940256099942544/2435281174';
/// Loads a banner ad.
void loadAd() async {
// Get an AnchoredAdaptiveBannerAdSize before loading the ad.
final size = await AdSize.getCurrentOrientationAnchoredAdaptiveBannerAdSize(
MediaQuery.sizeOf(context).width.truncate());
_bannerAd = BannerAd(
adUnitId: adUnitId,
request: const AdRequest(),
size: size,
listener: BannerAdListener(
// Called when an ad is successfully received.
onAdLoaded: (ad) {
debugPrint('$ad loaded.');
setState(() {
_isLoaded = true;
});
},
// Called when an ad request failed.
onAdFailedToLoad: (ad, err) {
debugPrint('BannerAd failed to load: $error');
// Dispose the ad here to free resources.
ad.dispose();
},
// Called when an ad opens an overlay that covers the screen.
onAdOpened: (Ad ad) {},
// Called when an ad removes an overlay that covers the screen.
onAdClosed: (Ad ad) {},
// Called when an impression occurs on the ad.
onAdImpression: (Ad ad) {},
),
)..load();
}
}
バナー広告を表示する
BannerAd
をウィジェットとして表示するには、load()
を呼び出した後に、サポートされている広告で AdWidget
をインスタンス化する必要があります。load()
を呼び出す前にウィジェットを作成できますが、ウィジェット ツリーに追加する前に load()
を呼び出す必要があります。
AdWidget
は Flutter のウィジェット クラスから継承され、他のウィジェットと同様に使用できます。iOS では、指定された幅と高さのウィジェットにウィジェットが配置されていることを確認してください。そうしないと、広告が表示されない可能性があります。BannerAd
は、広告に一致するサイズのコンテナに配置できます。
if (_bannerAd != null) {
Align(
alignment: Alignment.bottomCenter,
child: SafeArea(
child: SizedBox(
width: _bannerAd!.size.width.toDouble(),
height: _bannerAd!.size.height.toDouble(),
child: AdWidget(ad: _bannerAd!),
),
),
)
}
広告にアクセスする必要がなくなったら、広告を破棄する必要があります。dispose()
を呼び出すおすすめのタイミングは、AdWidget
がウィジェット ツリーから削除された後、または BannerAdListener.onAdFailedToLoad()
コールバック時です。
これで、これで、アプリにバナー広告を表示できるようになりました。
Android 9 以前でのスクロールの制限
Android 9 以前を搭載した一部の古いデバイスや性能の低いデバイスでは、スクロール ビュー内にインライン バナー広告を表示すると、最適なパフォーマンスが得られないことがあります。このようなタイプのバナーは、Android 10 以降でのみ使用することをおすすめします。アンカーバナーなどの固定位置バナーは影響を受けず、すべての Android API レベルで最適なパフォーマンスで使用できます。
GitHub のサンプルコードの全文
このページで説明したバナーの統合の詳細な例については、banner_example をご覧ください。
その他のバナータイプの詳細
このセクションで定義されている、Flutter アプリ向けの他の種類のバナーについて学びます。
インライン アダプティブ バナー
インライン アダプティブ バナーは高さが変動し、アンカー アダプティブ バナーよりも大きく、高さのあるバナーです。スクロール可能なコンテンツにバナー広告を配置するアプリの場合は、アンカー アダプティブ バナー広告よりもインライン アダプティブ バナーを使用することをおすすめします。詳しくは、インライン アダプティブ バナーをご覧ください。
折りたたみ可能バナー
折りたたみ可能バナー広告は、最初は大きなオーバーレイとして表示され、広告を小さいサイズに折りたたむボタンが付いています。このバナーを使用して、パフォーマンスをさらに最適化することをご検討ください。詳しくは、折りたたみ可能なバナー広告をご覧ください。