Measurement Protocol のユースケース

Google アナリティクスの Measurement Protocol を使用すると、タグ設定や Firebase SDK で収集しているデータに加えて、オフライン データをウェブまたはアプリのストリームに送信できます。

このガイドでは、Google アナリティクス Measurement Protocol の一般的なユースケースとその要件について説明します。

要件の概要

この表では、ユースケースごとの要件を簡単に確認できます。次のベスト プラクティスを念頭に置いてください。

  1. イベントとユーザー プロパティの timestamp_micros には、デフォルトでリクエストの日時が使用されます。過去に発生したイベントまたはユーザー プロパティの変更を送信する場合、イベントの送信に関するガイドとユーザー プロパティに関するガイドの説明に従ってタイムスタンプをオーバーライドします。

  2. リアルタイムの正確なレポートやエンゲージメント指標を確認する場合は、先行するイベントからのミリ秒単位の経過時間を engagement_time_msec イベント パラメータに設定したものを含めてください。

ユースケース セッション ID リクエストの日時の要件 timestamp_micros の要件
User-ID をイベントに割り当てる 必須 セッションが開始した営業日の終了まで セッションの開始からセッションの終了まで
セッション アトリビューション 必須 セッションの開始から 24 時間後まで セッションの開始からセッションの終了まで
イベントを広告プラットフォームにエクスポートする 不要 最後のセッションが発生した営業日から 63 日後まで リクエストの日時 - 2 営業日以上、リクエストの日時以下
オーディエンスを作成する目的で、イベントまたはユーザー プロパティを送信する 必須ではありません ウェブ: 直近のオンライン イベントの発生時刻から 30 日後まで
アプリ: 直近のオンライン イベントの発生時刻から 42 日後まで
リクエストの日時 - 2 営業日以上、リクエストの日時以下

User-ID をイベントに割り当てる

Measurement Protocol を使用して、オンラインまたはオフラインのイベントに User-ID を指定します。

イベントに User-ID を追加するユースケースの例を次に示します。

  1. オンライン イベントのユーザー ID を検索するために必要な情報がオンライン測定に不足しているが、オンライン セッションとユーザー ID を関連付けることができるイベント処理パイプラインがある。

    このシナリオでは、Measurement Protocol を使用して、User-ID を含むオンライン イベントを提供します。

  2. Measurement Protocol で送信するイベントに User-ID は含まれていないが、セッション中にユーザーがオンラインでログインした場合は、そのイベントを User-ID に関連付けたい。

    このシナリオでは、オンライン イベントを使用して、User-ID を含む Measurement Protocol イベントを提供します。

イベントに User-ID を追加するための要件は次のとおりです。

  • イベントのパラメータ リストに session_id を含めます。
  • Measurement Protocol イベントは、オンライン セッションと同じ営業日に送信します。
  • timestamp_micros をオーバーライドする場合は、オンライン セッションの開始時刻と終了時刻の間のタイムスタンプに設定します。
  • オンライン イベントの User-ID を提供することが目標の場合は、リクエストで user_id を設定します。
  • 目標が、各 Measurement Protocol イベントに、対応するオンライン セッションの User-ID を含めることである場合は、user_id を設定する必要はありません。

セッション アトリビューション

特定の要件を満たす Measurement Protocol イベントは、同じセッションのオンライン イベントと同じセッション属性(地域情報、参照元、メディア、キャンペーンなど)でレポートに表示されます。

セッション アトリビューションの要件は次のとおりです。

  • イベントのパラメータ リストに session_id を含めます。
  • オンライン セッションの開始から 24 時間以内にリクエストを送信します。

    たとえば、プロパティのタイムゾーンで月曜日の午前 11 時 15 分にセッションが開始された場合、火曜日の午前 11 時 15 分より前にリクエストを送信します。

  • timestamp_micros をオーバーライドする場合は、オンライン セッションの開始時刻と終了時刻の間のタイムスタンプに設定します。

イベントを広告プラットフォームにエクスポートする

Google アナリティクスでは、Measurement Protocol を使用して送信したイベントが、Google 広告やキャンペーン マネージャー 360 などのリンクされた広告サービスへのエクスポートに含まれます。

この機能が役立つ一般的なシナリオは次のとおりです。

  • 広告のアトリビューションとレポートに含めたいオフライン イベントがある。
  • タグ付けや Firebase SDK で利用できないシステムにイベントが追加されているが、リンクされたプロダクトにそれらのイベントを含めたい場合。

イベントを広告プラットフォームにエクスポートするための要件は次のとおりです。

  • キーイベントのアトリビューション ウィンドウが 63 日を超えている場合でも、最新のオンライン イベントから 63 日後の営業日の終了までにリクエストを送信します。

    たとえば、client_id または app_instance_id の最新のオンライン イベントが 3 月 1 日に発生した場合、Measurement Protocol イベントは 5 月 3 日の営業日の終了までに送信します。

  • timestamp_micros をオーバーライドする場合は、過去 3 営業日以内のタイムスタンプに設定します。

オーディエンスを作成する目的で、イベントまたはユーザー プロパティを送信する

Measurement Protocol を使用して送信されたイベントとユーザー プロパティは、いくつかの要件を満たしていれば、オーディエンス条件の評価に含まれます。

オーディエンスを作成する目的でイベントまたはユーザー プロパティを送信するための要件は次のとおりです。

  • リクエストは、同じ client_id の最新のオンライン イベントから 30 日後の営業日の終了までにウェブ ストリームに送信します。

    たとえば、client_id の最新のオンライン イベントが 3 月 1 日に発生した場合、Measurement Protocol イベントは 3 月 31 日の営業日の終了までに送信します。

  • リクエストは、同じ app_instance_id の最新のオンライン イベントから 42 日後の営業日の終了までに、アプリ ストリームに送信します。

    たとえば、app_instance_id の最新のオンライン イベントが 3 月 1 日に発生した場合、Measurement Protocol イベントは 4 月 12 日の営業日の終了までに送信します。

  • timestamp_micros をオーバーライドする場合は、過去 3 営業日以内のタイムスタンプに設定します。